台湾最高峰のデザイン賞「金點設計奨(ゴールデンピンデザインアワード)」の入選作品が公表された。本年は17の国と地域から2,706作品が集まり、その中の627作品が入賞を果たした。入賞作品の分類はプロダクトデザインが287作品、ビジュアルデザインが169作品、空間デザインが135作品、インテグラルデザイン(総合デザイン)が、36作品。また本年はCovid-19の影響下のため、各デザイン分野の専門家25名がオンラインで審査をした。
以下より入賞作品の中から6作品を紹介。
台湾の「點睛設計有限公司(Dot Design)」がデザインした『宝特瓶回収再製圧紋袋包(訳:ボトル瓶リサイクルプリーツバッグ)』は、不要となったPET素材から布や縫い糸を生成し作られたエコバッグ。リサイクルの分別回収が容易で合理的。また、プリーツ加工が施され視覚的にも優れた作品となった。
タイのデザイン会社「Sarunphon Boonto」は、現地の有名家具ブランド「Corner 43 Decor」と協業し、藤製の仕切り板『Bilid — Rattan Room Divider』をデザインした。7色か5色に着色された藤が編まれ美しい寒色と暖色のグラデーションになっており、片面には静かで落ち着いた雰囲気がある。またもう片面には、波模様が形成され動的な印象を見る人に与えている。
台湾の「仙草影像製作有限公司」が手がたミュージックビデオは、台湾最大の流行音楽賞「金曲」で今年の最優秀中国語女性歌手賞を受賞した田馥甄(ヒビ・ティエン)の『一一』。アニメーションの原理をモチーフに、展開する時空を操ったかのような映像に、台湾らしい要素が散りばめられている。
シンガポールの建築事務所「Formwerkz Architect」は、大家族のための私邸『Cloister House』を設計した。廊下の解釈を従来の既成概念から抜け出し、新たな解釈で設計した。9つの庭が区画され、多様性のある生活の要求が満たされるデザインとなっている。
タイのランドスケープデザイン事務所「Creative Crews」がデザインした農場の民宿『Ahsa Farmstay』は、伝統の建築スタイルを残しつつも、構造材に新建材を用いることで、現代に必要な機能を補足し、コストダウンにも成功した。現地の建設に関数る知識と伝統文化を融合させた、新たな挑戦となった。
展覧会などのキュレーションからデザインまでを手がける「都市藝術工作室(Urban Art Studio)」の作品『2021漁光島藝術節—安棲之嶼』は、13組の芸術家が現地の美しい自然の中で、作品展示やさまざまなパフォーマンス、ワークショップ、マーケットなどを行い、それらを通して島の美しさや文化、生活をさまざまな形で体験できるイベント。
最優秀賞などの審査は引き続き行われており、9月下旬に発表を予定している。12月4日は授賞式展も開催される。
ゴールデンピンデザインアワード 公式サイト|https://www.goldenpin.org.tw