日本統治時代から残る駅舎として最も古いとされる新竹駅の駅舎を生き還らせるために、台湾鉄路管理局が台湾設計研究院と協業し、段階的なリニューアルを目指している。
歴史的建築物としての威厳ある佇まいやスタイルを損なうことなく、実際に使用される駅として利用者に優しくわかりやすいシンプルな空間を実現するために、デザインや色から不必要なものを取り除くミニマルな手法で統一感を出すことが、プロジェクトのグランドデザインとなっている。
リニューアルの第一歩として、本埠設計(B&P ARCHITECTS)と、博瀚設計工作室による照明と色彩、そして案内表示の改善が実施された。
駅舎内は白とグレーに統一されたことで清潔感が増し、照明を埋め込み式の白色LED板に変えたことで、壁や天井に存在していた色の差や複雑な線を最小限に抑え、駅舎内の空間を明るくすっきりと簡素化させた。天井と照明の色・質感の違いを感じさせない工夫と、真っ直ぐに伸びていく線のデザインが人の視野に広がりを持たせている。
案内表示は英語と中国語で全て同じ字体に統一し、ステレオタイプの色使いは避け、見やすさと読みやすさに重点をおいて新たに制作し直された。このリニューアルに併せて、公共の場に多く貼り出される広告文化についても見直されて始めている。
今後、台湾鉄路管理局は今回の成功を活かし、ミニマルなデザインで新竹駅以外の駅舎にもリニューアルを施していく予定。