台湾で毎年開催される世界最大規模の華語映画賞「金馬奨」が、今年で60回目を迎えることを記念し、全体的なブランドシステムの再構築を行なった。クリエイティブはモーションデザインが国際的に評価されているデザイン会社「Bito」が担当。
チャレンジ精神あふれる未来に向かって進み続けることを願い「従経典確立未来(訳:古いものから未来を構築する)」をコンセプトとし、「新旧の融合」を表現したブランドアイデンティティにデザインした。
楊英風氏が制作した馬の頭の彫刻をもとに制作されたマークのディティールを再度調整し、これをロゴマークとした。中華文化の古典をモチーフに、幾何図形として現代的な見せ方することで「新旧の融合」を体現している。印鑑の朱肉の色を想起させる伝統的な色にデザインした。またその傘下ブランドの主要なカラーも各色設定している。
中国語タイポグラフィに関しては、宋体(明朝体のようなセリフ体)の古典的な形式とゴシック体のモダンなイメージを融合させたオリジナルの書体を開発。中国語と英語の言語的特徴を踏まえてレイアウトのルールを細かく設定し、統一したブランドとして認識されるようにデザインが設定された。
1年間を費やして構築されたブランド・システムは、認識出るように5つの主要活動である「金馬賞」「映画祭」「フィルムプロモーション」「映画アカデミー」「映画マスタークラス」を通して、金馬のブランドを大衆に認識させていくこととなる。
ブランディングに加えて、今年の金馬奨(金馬60)の統括的なクリエイティブも担当。なお、Bitoは金馬奨の第58回と第59回のクリエイティブも担当し、どちらもイギリスのD&AD賞の最高賞イエロー・ペンシルを獲得している。今年も世界のデザイン賞を受賞する可能性が高い。
▍金馬影展 TGHFF
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