台湾最高名誉の学生アワード「金点新秀設計奨」の本年度受賞作品が発表される

台湾経産省が主催し台湾設計研究院が企画する台湾国内最大の合同学生作品展「新一代設計展2024(Young Designers’ Exhibition 2024)」が、今年も5月24日から27日の4日間台北の南港にて開催。その期間中に台湾最高のデザインアワード「金点新秀設計奨(Young Pin Design Award)」の審査が行われ、5月26日に各部門の最優秀賞9作品は以下の通りに選ばれた。

プロダクトデザイン部門

『HOO!』
徐苡宸、林姿廷(東海大学工業デザイン学科)

「HOO!」は、子供が息を吹きかけて遊ぶインタラクティブなおもちゃだ。口の動きが不十分な子供は、構音障害に悩まされる可能性があることから、口内の基本的な筋肉を養うことを目的としてデザインをした。

グラフィックデザイン部門

『沽紙』
邱美妤、林紜亦、李郁馨、簡鈺玲(銘傳大学商業デザイン学科)

中華文化圏で祭事の時に使われる紙「糊紙」をテーマに取り上げ、台湾伝統の製法を調査、研究。その成果をドキュメンタリーの書籍としてまとめた。

デジタル映像デザイン部門

『瑕疵品』
姚冠廷、張妤萱、陳宥翔、蘇柏丞(国立虎尾科技大学マルチメディアデザイン学科)

不良品を守るために戦う工場のロボットの物語を描いた3Dアニメーション。成長過程の混乱と葛藤を描き、観客に安全地帯から抜け出す勇気を与えることをコンセプトとしている。

デジタルインタラクティブデザイン部門

『真相編織』
顧雯茵、李瑛琇、鄭至軒、黃歆茹、凌雅儒、陳廷語(南台科技大学マルチメディア・コンピューター娯楽学科)

360度のパノラマビューを使用したコミカルタッチのサスペンス推理ゲーム。プレイヤーはフリーの記者となって殺人事件の真実を突き止めていく。

空間デザイン部門

『城市牧歌:新住居革命的規則興変動』
呉孟嘉、洪嘉蔓(台南応用科技大学インテリアデザイン学科)

現代の多様な生活に対応するため、再編成が可能なトレーラーハウスのようなユニットで構成される集合住宅を提案。転居する際にはユニットを動かすだけで引っ越しができ、家族が増えた場合にもユニットを増やすだけで間取りを増やすことができる。

工芸デザイン部門

『絵声』
胡希(国立清華大学 芸術・デザイン学科)

音を視覚化して金属加工のジュエリーのデザインに変換する「絵声」を制作。それぞれのジュエリーに、ユニークなサウンドのストーリーを内包させた。

ファッションデザイン部門

『信條』
張書瑋(実践大学ファッションデザイン)

サルトスクエア、永遠回帰、ブロック宇宙理論などの3つの物理的および哲学的概念で解釈された一連の衣服デザインであり、作者自身の人生観を示している。

ソーシャルデザイン部門

『陳水宏』
魏均哲、戴暐晟、陳彣淇、卓至柔、歐陽萱、吳姵荻(崑山科技大学ビジュアルデザイン学科)

AI を使用して仮想の総統候補者を作成し、台湾の政治環境を反映するために、Z 世代の政治的願望と期待を収集および分析することにより、セルフメディア運営戦略を設計した。

産学連携デザイン部門

『消波新解方』
蔣佳穎、林劭宇(国立台湾科技大学デザイン学科)

廃棄された牡蠣の殻を混合した海に優しい素材を制作し、3Dプリンターで生産できる「新たな防波堤としての解決策」を提案した。セメントの代替または使用量を削減し、強度と美しさを兼ね備えた新しい波吸収ブロックをデザイン。炭素排出量と資源消費を削減が可能。

その他アワード受賞作品

今年は9点の部門最優秀賞のほかに、61件の「ヤングピンデザイン賞」と、3点の「ヤングピン環境デザイン特別賞」、3点の「ヤングピンパッケージデザイン特別賞」、58点の「ヤングピン賛助特別賞」が授与された。


▍新一代設計展(ヤングピン デザインエキシビジョン)
ウェブ|https://www.yodex.com.tw/

提供画像:台湾デザイン研究院