第5回「ADA新鋭建築賞」に8作品が入選

「ADA新鋭建築賞」第5回入選作品が公表され、8作品の入選が明らかとなった。どの入選作品も人と人の関係性に重点をおいた公共性の高い作品であり、それぞれに動きのある外観と、周囲の環境に呼応する新しい建築デザインを提示している。

立仁國小體育休閒站(Jr.Gang Architectural Labより引用)

「究境建築」の吳承軒、沈弘軒、魏子鈞の3名が雲林県で手掛けた「立仁國小體育休閒站(訳:立仁小学校体育レクリエーションセンター)」は、小学校校内・球場横に建設されたダンス教室とウェイトトレーニングルームを含む小さな建物。
屋根から建物側面に向かい、屋根の角度そのままに地上まで伸びた赤い柱が、建築物に動態的な印象を与え、まるで建物がウェイトトレーニングをしているかのような、遊び心のあるユニークなデザインとなっている。

鯨魚小學校(Jr.Gang Architectural Labより引用)

屏東県に建設された「鯨魚小學校(訳:くじら小学校)」は黃卓仁率いる丁尺建築師事務所(JR Architects)が設計。校舎の傍に広がる海に向かって、体をそらせる鯨のような外観を持つ白亜の校舎。鯨の尾の先から背に向かって伸びる緩やかなスロープは、空間を広げるだけでなく、子供達の遊び場となって校舎としての建築物に生き生きとした息吹を吹き込んでいる。

將軍村(Jr.Gang Architectural Labより引用)
白屋與黑室(Jr.Gang Architectural Labより引用)

その他、曾泊銘建築師事務所が手掛けた新竹市の「将軍村」や、建築デザイナー蘇弘が台北市で手掛けた「南港公園管理所暨工班辦公室(訳:南港公園管理事務所)」と隣接された公共トイレ等が入選となっている。

步美的家(Jr.Gang Architectural Labより引用)

当賞は2012年より2年毎に開催され、台湾若手建築デザイナー飛躍の舞台の1つとなっている。また入選を目指す過程に若手同士の交流を設けることで切磋琢磨が生まれ、台湾の建築デザインの可能性を広げている。今後9月中に最終選考が行われる予定。

▍2020 ADA新鋭建築賞入選作品
立仁國小體育休閒站 / 吳承軒、沈弘軒、魏子鈞
XX / 林佩蓉
馬禮遜美國學校新北校區 / 周榮敬
生活X矛盾 / 許峻韶
新竹市將軍村 / 曾泊銘
鯨魚小學校 / 黃卓仁
步美的家 / 劉承鑫
白屋與黑室 / 蘇弘


▍2020 ADA新鋭建築賞
ウェブサイト:https://2020.taipeiada-awards.com/
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