台灣設計研究院が安全性、利便性、そしてデザイン性を兼ね揃えた新しい消火器と消火栓のデザイン案を発表した。
台湾では、参考できるデザインされた公共消防設備の導入事例がまだ多くないため、台灣設計研究院はプロジェクトを立ち上げチームを編成。
内政部消防署との協力の下、消防設備関連部門の人々にも参加を呼びかけ、現状を最適化しつつ火災時の安全性を最優先に考慮したデザイン案を提案した。これにより、従来デザインが介入してこなかった消防設備の分野への進出が実現した。
より明確なデザインコンテクストを提供するため、編成されたチームには消防署関係者だけでなく台湾の有名デザイナーも参加。デザイン企画会社であるIF OFFICEの馮宇がビジュアルデザインディレクターを、デザイン事務所の無氏製作から吳孝儒がプロダクトデザインディレクターを務めた。
完成までに8ヶ月にも及んだデザイン案には、「公共の消火器」と「屋内消火栓設備」を参考として挙げており、消火器や看板のデザイン、屋内消火栓設備のグラフィックデザイン、その他設備等のデザイン及び配色パターンやアイディア、情報設計が含まれている。
無氏製作の吳孝儒はプロダクトデザインの観点から、「從工業製品的產品定位提升到生活(訳:工業製品から生活用品への意識改革)」というデザインコンセプトを提案。また、「中性的設計且業界熟悉的工法(訳:ニュートラルなデザイン且つ業界で熟知された方法)」を採用して消防設備を改善し、業界全体の底上げにも貢献した。
台灣設計研究院はこの成果を「設計規範書(デザインガイドライン)」としてまとめ、台湾の消防設備業界で自由に活用できるよう、消防署へ無償で提供する。