繁体字中国語書体を制作する台湾のスタジオである「JT Foundry(書体翰字鑄造)」が、6月30日にオープンソースの繁体字中国語書体「台北黑體(台北黒体)」Beta版を公開した。
「黑體」とは日本語書体で言うゴシック体に相当し、7ウェイトでファミリーの構成を予定しているが、今回は、Light、Regular、Boldの3ウェイトを公開している。また当然のことながらオリジナルの英文も実装しているが、欧文書体のHelvetica NeueとAlegreya Sansとの組み合わせも想定した上で書体の設計もされている。
なお台湾ではAdobeとGoogleの共同で開発された同じオープンソースである「思源黑體」(英語名:Source Han Sans、日本語版は源ノ角ゴシック)が広く使われているが、これは台湾教育部国字標準書体による教育用の字形を基礎としてデザインされている。これに対して、台北黑體を制作しているJT Foundryは「教育用の字形を持った書体は、現代的でなく美しさに欠けると共にゴシック体や、明朝体に適した字形ではない」とウェブサイト上で指摘している。
そのため思源黑體を基礎とし教育用の字形ではなく、印刷に適した現代的な書体をコンセプトとしている。
台北黑體のBeta版は、現在以下のウェブサイトからダウンロードが可能となっている。
website : https://sites.google.com/view/jtfoundry/